わかめは南方型(Undaeia pinnatifida)と北方型(Undaeia pinnatifida distans)に分けられます。主に三陸に棲息する北方型は、冷たい海水に適応するため葉が厚くなり、概要の荒波に対応するために全体が細長く、葉の切れ込みが深くなったといわれています。
真崎わかめの養殖施設は、まるで巨大な川のように流れる潮流の中にあります。
常に潮流に洗われつつ太平洋の荒波にさらされる環境は、荒い磯場で育つ天然わかめとよく似ています。時に10mを越える荒波で養殖施設さえ破壊されることもありますが、最高のわかめを生産するため、外海での養殖にこだわり続けています。
種苗は地場産の天然わかめだけを親に、より天然に近い環境で育てることによって初めて「真崎わかめ」と呼べる品質のわかめが生み出されます。
養殖施設の背後には断崖絶壁がそびえ立っており、大昔から海岸線に繁る森林は「魚つき林」として先人たちが海と山の関係を大切にし、伐採が規制されてきました。田老町漁協では、この教えを守り、水源となる山に平成4年から広葉樹を毎年植樹しています。生い茂る広葉樹とその落ち葉は山の保水力を高め、きれいで栄養豊かな水が海へ供給される手伝いをしています。
また、漁協女性部では平成10年から合成洗剤追放運動を行い、現在も海の水質を守るために運動を継続しています。
深夜の海は漆黒の闇の中。日中より作業が不自由でも、わかめを太陽光にさらしたくないという思いのほうが勝っています。
加工場に運ばれるわかめの原藻。湯通しをすると、この茶褐色が鮮やかなグリーンに変わります。
真崎わかめは、親潮(寒流)の荒波にもまれて育つ、世界でも希少な北方型わかめです。 この希少な真崎わかめを田老町漁協ではこだわりを持って大切に育て、みなさまにお届けします。
わかめを日光にさらしたくないため、採取作業は深夜から早朝に行われます。